Shizuoka University

ジブロック・コポリマーの自己組織化によるナノパターンド近接場光メディアの作製

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目的

近い将来、数100G〜1TB/inch2の記録密度を有する超高密度光ストレージニーズが高まると考えられる。記録密度を増加させる1つの手段として、近接場光ストレージ1)が提案され多くの報告がなされてきた。この方式では、記録マーク長はプローブ開口径で決まるので、回折限界を超える高密度記録が可能である。 近接場光ストレージの実用化には、データ転送レート、信号対雑音比(CNR)、記録マーク品質の更なる向上が必要である。我々は、CNRと記録マーク品質の向上を目指し、1ナノドットを1記録ビットとする透過型のナノパターンド近接場光メディアの作製を目指している。本研究の目的は、ジブロック・コポリマーの自己組織化を利用して、スライドガラス上にナノドット構造を規則正しく形成することである。

原理(実験方法)

Fig. 1に作製方法を示す。ジブロック・コポリマーの相分離2)やミセル形成3)による自己組織化を利用する。まず、ジブロック・コポリマーpolystyrene-block-poly[2-vinylpyridine](PS-P2VP)を適量の溶媒に溶かし溶液を作製する。その後、湿度制御した雰囲気中において、スライドガラス上に溶液をドロップし、スピンキャストする。観察には、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた。P2VPのピリジン窒素原子により、記録材料を結合できる可能性がある。4)

結果

ナノ構造の形状、寸法は、溶媒の種類、溶液の濃度、スピンキャスト時の湿度、PS-P2VPの分子長に大きく依存した。 Mn = 57,500-57,000、Mw/Mn = 1.08のPS-P2VPを使用し、ドットが最密となる条件で実験を行った場合、ドット間隔58.9 nm ± 10.6 % のナノドット構造が得られた(Fig. 2(a))。1ナノドットを1ビットとすると、215 Gb/in2 に相当する。Mn = 25,500-23,500、Mw/Mn = 1.05のPS-P2VPを使用することで、ドット間隔を46.1nm ± 9.6 % (351Gb/in2)に減少させることができた(Fig. 2(b))。将来的には、更なる規則性向上と高密度化、記録材料をドープした記録再生を行う。

References

1) E. Betzig, J. K. Trautman, R. Wolfe, E. M. Gyorgy, P. L. Finn, M. H. Kryder and C. -H. Chang: Appl. Phys. Lett. 61 (1992) 142.
2) F. S. Bates: Science 251 (1991) 898., F. S. Bates and G. H. Fredrickson: Phys. Today 52 (1999) 32.
3) A. Johner, J. F. Joanny and C. Marques: Physica A Statistical and Theoretical Physics 172 (1991) 285.
4) J. P. Spatz, S. Sheiko and M. Moller: Macromolecules 29 (1996) 3220.